日々徒然。
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眠いのに寝たいのに眠れないどうすればいいのーん。
なんでこんな山獄って…山獄って!!
なんでこんな山獄って…山獄って!!
今日は風邪を引いてしまって、結構な熱を出してしまって。起き上がることこそなんとか出来れど、足元もおぼつかない今の自分では十代目の荷物になってしまうと判断した結果、十代目の命令もあってしばらく自分は大人しく寝ている事になった。体調が万全になったら何か美味しいものでも持ってお詫びに行こう。十代目の護衛はリボーンさんもいるし、癪だが山本もいる。メールで俺が頼んだのだから間違いない。そう思っていたのに。
「…獄寺?」
どうしてこいつはここにいるのだろうか。何も飲んでいないこともあってか、喉がからからに渇いて声が出ない。差し出されたミネラルウォーターのペットボトルに口をつけると、何か作ってくる、と言って山本は台所に行ってしまった。ふと枕もとの携帯に目をやると、数件着信しているのに気が付いた。全部、一つ目は迷惑メール。二つ目は十代目からのメール。三つ目は。
「獄寺、おかゆくらいなら食え…」
「…んで…」
「え?」
「なんでお前はここにいるんだ!!」
携帯を放り投げると、鈍い音を立ててそれは壁にぶつかった。いつの間にかかけ直されていたのだろうタオルケットを握り締め、山本を睨む。驚いたように開かれた山本の目は、肩をすくめた事によって苦笑に変わった。組み立て式の小さなテーブルに粥の入った食器を置き、ベットの横に座る。
「俺の代わりに十代目を守れってメールで言ったじゃねぇか!お前あの後すぐにうんって返しただろ!?なのに、っ、なのになんだよ『やっぱ無理』って!意味わかんねぇ…なんでお前こんなトコに、此処にいるんだ!!」
気が、弱くなっていたのかもしれない。自分の頼みを聞かなかった山本に、イラ付いていたのかもしれない。でも、山本が十代目の護衛をしているよりも、自分が山本の傍に居られない事に腹が立っていて。一緒に十代目の護衛をしていないことに、イライラしていて。そんなことを分ってこいつがここに居るのなら自分はなんと情けない存在なんだろうと、まるで迷子になったような気分になって。
いきなり抱きしめてきた山本をなんとか突き飛ばそうとしたが、もともと体格差も力の差もあるこいつに俺が敵うわけが無く、嫌がって、出来る限りで暴れるしかなく、けれどそんなことを全く無視して苦笑いしながらこいつは言った。
「だって俺、獄寺が大事なんだ。」
体の動きが一瞬止まり、その隙に深く抱き込まれる。
「世界で一番獄寺が大事。どんなものよりどんな人よりなにより獄寺が大事、だから。」
山本は、こんな恥ずかしい台詞をいつだって惜しみなく俺に投げる。それは時に無意識に寂しいと感じている自分を満たしたり落ち着かない気分を安定させたりして、知らない間に俺を俺足らしめるものの一つとなってしまった。目元にキスを落とされ、それを合図にぼろぼろと俺は泣き出してしまった。腕に爪を立てられて、それでもへらへらとしている山本に、安心した。謝罪の言葉を口には出来なかったけれど、こいつはわかってくれているだろうか。
「獄寺、好きだよ。」
「…知ってる。」
***
その後お粥を食べてごくでらはげんきになりましたとさ。
一言で言い表せば、混沌。
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