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日々徒然。
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勉強いっちょもしない自分は死ねばいい。

テンプレ変えてみました。自分のPCでなぜか表示されなかったので(多分一時的なもので、しかもタグの関係だと思われる)。
最近文章の終り方が同じ様なのばっかり。


































ソファーに座って慣れた手つきで煙草を銜える獄寺の仕草はあまりにも大人っぽかった。思えば同い年だと感じられないほど、獄寺は(ツナがいなければ)冷静で落ち着いていると思う。嫌なわけじゃない。けれど、そんな獄寺を見ているとまるで自分が置いていかれているような錯覚に囚われる、ことがある。俺のポジションは獄寺の少し後ろ。でもそれは、獄寺の背中を守るためで、本当は肩を並べて歩きたい(欲を言えば手だって繋ぎたい)。もっと、もっともっと近付きたい。もっと俺が大人になれば、獄寺の横を同じペースで歩いていけるだろうか。フローリングの床に座ると、それはひんやりとしていた。板と板の境の溝を、指でなぞる。浅くも、確かにある溝。多分、俺と獄寺の間にも。
「バーカ。大人になりたいとか言ってるうちはテメェは子供だ。」
鼻で笑いながら煙草に火をつけようとして、獄寺は動きを止めた。ちらり、とこちらに視線を送った後、指の先ほどの大きさの炎は消え、煙草は箱に戻される。気遣われたのだ、自分は。あれだけ他人に無頓着だった獄寺に、野球というスポーツをしているがために俺は気遣ってもらった。普段の俺なら、飛び跳ねて喜んだだろう。けれど。獄寺との間隔が立ち上らぬ煙草の煙の分だけ広がったような気がして、俺は拳を握り締める。
「じゃあ、子供の頃が懐かしいとか思うようになったら、大人?」
「そりゃただのジジイだ。」
じゃあどうすればいいんだよ、と問いかければ、知るかよ、と無責任な答えが返ってくる。もどかしい。どうすれば大人になれるのだろうか。獄寺のように煙草を吸えば大人になれるだろうか。でもそれは、俺にとって根本的解決にはならないはずで。
「だいたい、なんでそんなに大人にこだわってんだ?」
獄寺と並びたいからとは、いえない、今は。視線を逸らし俯くと、獄寺は深い溜息を落とした。それはどこか俺に呆れたような音をしていて、盗み見た獄寺の表情には、その音そのままの表情が浮かんでいた。うっとおしかっただろうか、嫌われただろうか。失念していた。それだけはなんとしてでも避けるべきだったのに。大人になる以前に、それだけは、是が非でも。
「ごくで…」
「今はまだ子供だったって、いいじゃねぇか。」
「え?」
反射的に上がりかけた頭を、手で押さえ込まれる。誰の手か。獄寺の手だ。獄寺が床に膝を付いているのが見えた。俺より細い、身体が見えた。日焼けのしていない、腕が見えた。どうして、気付かなかったんだろう。あんなにも見ていたのに。
「大人にならないと出来ないことはたくさんある。けど、今しか出来ない事だって、同じくらいたくさんあるんだ。十代目はたくましくていらっしゃるしリボーンさんもいる。だけど、同時にまだ中学生でいらっしゃる。それはお前にだって言えることだし、……俺だって、そうだ。まだまだ、ガキだ。」
まるで言い聞かせているような口調だった。どこか躊躇っているように聞こえるのは、言い訳をしているような気分だからなんだろう。きっと獄寺は、年齢を理由にしてはいけないのだと、それに甘えてはいけないのだと、思っているんだろう。獄寺は、どれだけ強がってきたのだろう。どんな痛みを堪えてきたのだろう。獄寺は俺と同じだ。大人に、なりたがっている。
「どうせなれるんだから、今はガキでも別に…うわっ!」
耐え切れなくなって抱きつけば、獄寺は俺を支えきることができず仰向けにひっくり返りそうになったので、俺は寸前でその身体をなんとか支えた。再び、気付かされた。軽い。俺は今まで獄寺の何を見ていたのだろうか。背伸びして、たった独りで、必死に戦ってきた事に、どうして。
「何すんだこのバカ!!」
「俺…やっぱまだ子供でいいや。」
「はぁ?」
さっぱりわけが分らないという表情をした獄寺は、俺と同じ年齢、年相応の中学生の顔をしていた。守りたいと思った。強くなりたいと思った。大人になれば、強くなれるのだと思い込んでいた。違う。ただ大人になるだけじゃ、強くはなれない。守るものが、守りたいと思うものがある人間は強い。そんなことをオヤジが昔言っていた。あの頃はよく分からなかったが、今なら分る。人は守りたいという願いと同等の強さを、望む。
俺が今獄寺を守れるだけの強さを、望んでいるように。
「何真面目な顔してんだ。はやく離せ。」
「やだ。」
手放すのも壊すのも一瞬で、繋ぎとめることや作り上げる事に比べれば酷く簡単だ。
「ごくでら」
抱き締めなおした身体はやはり細い。抵抗が無い所為で、余計にそう感じる。すぐ目の前にある細い銀が、嬉しい。けれどどこか切なくて、そして、不安だ。
今の俺に、こいつを守れるだけの力を身につけることが出来るだろうか。




***

無駄に長い。なんじゃこりゃああ。
最後の方は、結局何が書きたいのか忘れちゃった。
もうちょっと違った最後だったはずだったんだけど。
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